シャンシャンは大好きなリンゴを食べながら考えました。
父リーリーが相続税対策のために、しかもシャンシャンのためにやったと言い張っているのは何ですか、と。銀行からお金を借りてやっていると。え?いつまで返済するんです?家賃って下がりますよね、返せるんですか?
シャンシャンは12月に留学する予定なので、日本に残していく大食いの母と小さい弟妹の生活が心配です。
不動産で相続税対策
父リーリーがいう相続税対策、とは、簡単に言うと銀行からお金を借りて賃貸物件を建てる、ことです。
相続税は累進課税のため、財産の評価額が高ければ高いほど相続税も上がります。
よって、財産の評価額をいかに下げるか、がポイントとなるわけです。
現預金のままで持っていると評価は下がりませんが、それを不動産に変えると評価額が下がります。
更に、金融機関から融資を受けて建築すると、相続開始時の残債額が債務控除となり、相続税が下がることになります。
不動産、というと自宅も不動産ですが、賃貸物件ということで更に土地や建物の評価が下がります。
(自宅も別の根拠で評価減となる特例がありますが)
そう、相続税は下がります。下がりますが
どの程度相続税が下がるのかは割愛しますが、相続税は下がります。その時は。シャンシャンは大喜びです。
がしかし、その物件、ちゃんとお金を生み出してますか?
昨今は建築費も高いです。その分相続税対策にはなりますが、毎年お金が残らないと意味がありません。
不動産も事業なのです。サブリース物件も事業なのです。
金利変動に耐えられるか?
結局のところ、将来の相続税も含めた全体のバランスが重要です。
シャンシャンは、そうか、と閃き、父リーリーに家賃の明細と借入金の資料を出せと迫りました。
大好きなリンゴがいっぱい食べられなくなるなんて、まっぴらごめんです。